小麦粉の話

小麦粉にはグルテンといわれるタンパク質が含まれていて、
グルテンの量が多いほど弾力や粘り気が強くふっくらしたパンに仕上がります。
小麦粉はグルテンの多い順に強力粉、中力粉、薄力粉と分けられていますが
日本でとれる小麦粉のほとんどはたんぱく質の量が少ない中力粉が多く、うどん粉と呼ばれてきました。
近年、いろいろな品種が作られ国産の麦でも強力粉に近いものも増えています。

麦をひく時に大量生産のものは大きな高速ローラーですりつぶし何段階にも分け振動をかけてふるい
きめの細かい白い粉に仕上げます。
低速ローラーや石臼で挽いた粉は多少きめが粗く色も黒めですが、
摩擦熱がそれほど高くならないので麦の味や香り、栄養分が生かされます。
もとの麦の成分の違い、粉の挽き方によって小麦粉の風味も性質もずいぶんと違うものなのです。
その良い見本ができました。
画像
左がいつもの ”まんてんパン” 信州産の小麦粉、夢漫天(ゆめまんてん)を使って焼いています。
右は ニセモノまんてんパン 同じ信州産の小麦粉、夢世紀(ゆめせいき)で焼いたもの。

どちらも石臼挽きにした小麦粉ですが夢漫天は強力粉、夢世紀は中力粉です。
夢漫天は私のパン作り用に、夢世紀は主人のうどん打ち用に仕入れていますが、
うっかり間違えて使ってしまいました。
捏ねてる最中から ナンカいつもと違う、べたべたした感じ。
粉の分量を間違えたかと少し追加しようと思ったら袋を間違えていました。
おんなじ袋に名前だけが違う2つの粉・・・
画像
慌ててもう1度仕込みなおしました。
グルテンが少なすぎると酵母が発酵して出した炭酸ガスを包み込む力が弱く、パン生地の伸びも悪くなります。
でも夢世紀は信州の地粉の中でもうどんに最適な小麦粉で、甘みがありソフトで上品な味わいの粉です。
見た目、食感は多少悪くても味は良く、捨てるに忍びない・・・

そういうわけで、パンの定期便、常連のお客様に本物とニセモノのまんてんパンをセットでひきとっていただきました
処分品に当たった方、めったに出来ない体験と思い、笑ってお許し下さい。