舟田詠子先生 講演会 「パン屋さんの課題」 

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「パンの文化史」著者の舟田詠子先生の講演があり東京へ出かけました。
先生はヨーロッパの民俗学に詳しく、歴史や文化と共に食文化の研究をされています。
今回の講演は「パン屋さんの課題」という題で3代続くオーストリアのパン屋さんの例を元に話されました。

そのパン屋さんでは年間400トンという量を全て契約農家の無農薬、有機栽培の麦を使い、必要な事は機械化しながらも、昔ながらの何も加えない、自然な味を活かしたパン作りをしています。
自然の恵みに感謝し、健康で安全なパンを作る事。地域に密着し生産を支える事。  
効率のよさや、儲けを優先させるのでなく、”自然に従った食生活に寄与するパン屋でありたい”という哲学と使命感はどこから来るのでしょうか。

祖父の代から続く家業。
おじいさんは、戦争中、兵隊のためのパンを焼きながら戦地で亡くなったそうです。
平和への思い。人として豊かに生きること。
自然や家族や地域を愛する気持ちと共に受け継がれてきたパン屋さんの話には
食のあり方や生き方の姿勢など、これからの社会に必要な事がたくさん含まれています。

先生は常に生活者としての視点を持ち、
その土地、その時代の人々の暮らしと結びつけて研究を深めています。
30年にわたる その研究をまとめた本「パン-人生の一部」がドイツで出版されるそうです。先生の本や話には発見や感動がたくさんあり、いつも深い感銘を受けます。
日本語にも翻訳されてほしい本です。

先生は、地域に根ざすものを大切にされていて、今回の講演では、北海道、山梨の人気のパン屋さんと共に私のパンも参加者の皆さんに召し上がっていただく事になりました。
私のような小さなパン工房にも声をかけて下さり、次回は地元の麦や生産者の話を皆さんの前でして欲しいとの事、大きな希望と励ましをいただき、
ますます パンー暮らしの一部 になっていく私です。
講演の内容をパンのガイド清水美穂子さんの記事でご覧ください。
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舟田詠子先生公式サイトhttps://funadaeiko.wordpress.com/  
アトリエだより 2008年11月 載せていただきました)
許可をいただき、こちらにも掲載します。
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11月7日の講演にはお忙しい中ご遠方からも大勢お集まり下さりありがとうございました!
オーストリアのベーカリー・ヨアストのパンも空輸してもらうつもりでしたが、オーストリアの速達便を請け負っているDHLがパンの輸送を拒否したために送ってもらえませんでした。でも、今回は北海道小樽のエグヴィヴ、甲府のヴァルト、長野県栂池高原のシャンツェさんのおいしいパンを試食しました。そして和田うららさんの木苺のバターもありました。ご協力ありがとう。

エグヴィヴは、薪窯で焼いています。自分で薪を割り、乾燥させ、石臼で粉をひいて、丹野さんがたったひとりでパン焼きの全行程をこなしています。ヴァルトはドイツでパン焼きを習った渡辺さん(清水さんの↑のブログに登場)の焼く本格的なドイツパン。クリエイティヴな発想で、地元産の食材を取り入れるのもうまい。シャンツェは、プチホテル経営の傍ら、新井さんが地粉を用いて、森の実から酵母を作りパンを焼いています。

2008-11-07  清水さん ヨアスト.jpg