信州育ちのライ麦パンの夢 NO.2

(NO1より続く)
愛工舎製作所は業務用の製パン機械を作っている会社で、プロの技術者対象の講習会を行っています。
講師も受講者も、現代の製パン業界をリードする方たちが参加しており、今回の
”本格的サワー種を使ったライ麦パン” の講習会も80名満席でした。

私のように小さなホテルで朝食用のパンを焼いているだけで席を並べてよいものか初めはためらいもありましたが、いつも快く受け入れてくださいます。
参加するたび、集まるプロの方たちの厳しい姿勢と技術の高さ、思いの深さを感じます。
生産性、効率、市場のニーズに基づき、なおかつ自分の思いや工夫を反映させ、よりよいものを追求している、その誇りや苦労を垣間見ることができるのです。
日常の暮らしの中で、自分の思いだけで好き勝手にパンを焼いてきた私が、対等になれるわけはなく、最初のうちは気おくれもありましたが、だんだん同じようにやる必要も役割もないと思うようになりました。

シャンツェは北アルプス連峰を望むゆたかな自然の中にあります。
ここの景色や、空気、ゆったりした時間と共に地元の食材を楽しんでいただくおもてなしをしたいと思っています。
パンはその中の一部なのです。
食材に恵まれた信州の大地、暮らしの中で結びつく生産者とのかかわり、この地で生活しているからできること、
小さなホテルの小さなパン工房だからできること。
私はその中で自分のパンを良くしていこうと自覚するようになりました。
愛工舎の講習会は、製パン技術の勉強だけでなく、現在の流行や求められるもの、パンに関わる方たちの情熱、そして自分の立場や姿勢、たくさんの事を知り考える貴重な場なのです。

お天気がよければ明日はいよいよライ麦の収穫です。
こんなにタイミングよく講習会に参加でき、新しい試みに夢も広がります。
今回の講習と2年前に行われたドイツ人マイスターによるドイツパンセミナーの資料なども引っぱり出しながら、
ライ麦パンの追求が始まります。