天然酵母の話 No.4  酵母と仲良くなろう

 
この夏は、杏酵母、ラズベリー酵母、ブルーべりー酵母など、この時期にしか味わえない
パンをたくさん焼きました。
 夏は気温が高いので発酵がさかんになる為、天然酵母のパン作りもしやすい反面、
思った以上に短時間に発酵が進んでしまう事もあります。 
うっかりすると膨らみすぎてしまい、ダラリとダレテしまったパン生地は焼いても
張りがありません。 冬の間、待てども待てども膨らまず夜遅くやっと膨らみだし、
一人、シーンとした厨房でパンが焼きあがるのを待っていたのが嘘のようです。
 こうして数々の失敗を繰り返しながら、酵母のペースがわかってくるとうまい付き合い方が
出来るようになってきます。 酵母菌という微生物の活動するがままに任せ、
ちょうどよいタイミングで手を加えることによって、おいしいパンを焼くことが出来ます。
酵母は周りの環境に対応しながら着々と活動を続けていきます。 
熱を加えて焼き上げるまで生きているのです。
気温や湿度、そしてバターやミルクなど加える物、酵母の種類や古さによっても、
発酵状態が左右され仕上がりはいつも違います。 
それを不便と思うか、面白いと思うか、、、、、
そう、一番のコツは酵母にほれ込むことかもしれません。
相手の状態を見きわめ、ゆったりと付き合うゆとりが必要です。
自分の思い通りにしようとするとかえって振り回されます。 
恋人のように寄り添って、すべてがうまく折り合って、良いパンが焼きあがったときは、オーブンを開けて、一人ニンマリしてしまいます。
 そしてそのパンを、おいしいと味わってくれる人がいればますます顔も緩むというものです。

(1999年9月のホームページより)
 情報は過去のものです