天然酵母の話 No.2

天然酵母のパンは、ふんわりふかふかのパンとは違いゆっくりと時間をかけて熟成され、
少し重く硬めのパンに焼きあがります。 噛み締めてじっくりと味わううちに、粉の甘味と
酵母のうまみが感じられてきます。 まずパンのみを味わっていただくのが一番です。
パン好きの方の中には、何もつけずに小さくちぎって噛み締め、噛み締め食べて下さる方もおり、嬉しい限りです。
果物のジャムとも良く合います。 シャンツェのジャムは新鮮な果物と砂糖だけを煮詰めて
作ったので、果実の味が生きているのでしょう。 天然酵母のパンとの相性もよいのです。
作っているジャムの種類は5種類、杏、ブルーベリー、ネクタリン(黄桃)、プルーン、
林檎(ジャム用に最適の紅玉を使用しています)、どの果物からも天然の酵母を取り出すことが出来ますが、そのパンを食べることが出きるのはその季節だけの旬の楽しみです。
雪がとけ、住み込みのアルバイトの人たちが帰るとすっかり春!
ジャム作りのシーズンが始まります。 
次の冬までの間、それぞれの季節ごとに果物を作っているおなじみの農家を訪れるのも大事な年中行事です。
大なべでジャムを煮るのは家族全員の仕事です。 子供たちも皮をむいたり,きざんだりつまみ食いにも忙しく、大張りきりです。
建物中に、果物の甘い香りが広がり幸せな気分に包まれます。
私たちの暮らしは、どんどん便利になる一方で自然に根ざしたものから離れつつあります。
自分もその中で生きているのが現実ですが、ささやかながら季節の実りをジャムにして、山のぶどうでジュースを作り、自家製酵母でパンを焼く……
そんな時間を通して、食べ物が自然の恵みであることや、自然に沿ったすごし方を感じたいと思っています。
子供たちにもそんな生活を楽しんでおいてほしいし、幼い時の体験が財産になるよう願っています。
そしてシャンツェを訪れてくれる方にもそうしたものでおもてなしをしていきたい。

………いろんな思いをたくさんつめこんで
              ゆっくりと膨らんでいくパンの発酵を見守るのです。……

(1999年1月のホームページより)
  情報は過去のものです